車椅子のこんな進化

車椅子のこんな進化

他の方々から見ても一部の方だけで検討を進めている印象が強まり、事業への信頼感がゆらぐもとにもなりかねません。 建替えに消極的な方の参加を求めたり、今まで組合活動に参加していなかった人たちを含め、できるだけ広い範囲で人選をすべきであると思います。
人選に当たっては各号棟や階段などから年齢や性別が偏らないように、バランスよく人を集めることが大切です。 建替え事業の進め方1建替え計画検討の開始区分所有者間での建替えに対する思いが湧き上がりはじめた段階です。
この段階では、建替えだけを対象とするよりも、広くマンションや団地の将来像を考え、区分所有者同士が、ひとつの土地と建物を共有する運命共同体であるという問題意識を共有し、認識し合うことが大切な段階であると思います。 建替えを検討してみようという声がどこから、どのように湧き上がってくるのか、それがどのような具体的な活動となっていくのか、その経緯はいろいろだと思います。
一般的には、マンションで2度目か3度目の大規模修繕の検討を建替え推進決議まで進めるうちに、大規模修繕だけでは今のマンションへの不満や不安を抜本的に解決することがほとんど不可能だという結論になり、管理組合の組織として検討を始める、というケースが多いようです。 実際、建替えの実現に至っているのはごく一部のマンションで、建替えが実現した背景にあるものを考えてみると、その原因は二つに分けられると思います。
ひとつは、建替えを可能にする客観的な条件の存在です。 余剰の容積があり、マンションの立地として人気があるため、デベロッパーなどから好条件を引き出せた結果、多数の区分所有者の合意が得やすかったということです。
2つ目は、無関心な大多数のサイレント・マジョリティに対して、問題意識を育てるような活動や勉強などを地道に行う実行力、行動力をもったリーダーが存在したという、人にまつわる条件です。 このような火付け役がいれば、その人に誘われ感化されてリーダーを支えるサボータ1役になろうという人が現れて徐々に組織活動に繋がっていく、という好循環が生れます。
肥沃な土壌に、種をまく人がいて、それを育てる人がいて、はじめて花が咲き、実がみのるのと同じことです。 準備段階とは何よりも自分たちのマンションの客観的条件を知り、そこにどのような花を咲かせるかというビジョンを描き、土を掘り起こし、耕して種まきに備える段階なのです。

土地を耕し、種まきに備える、その第一歩が、自分たちのマンションの現状と課題について話し合い、区分所有者の間で共通の問題意識や価値観を育むための勉強会の開始です。 勉強会の目的は建替えについての知識を得る、ということより、メンバーが現在のマンションがおかれている問題点や将来の課題について共通の問題認識をもつことにあります。
したがって、勉強会のテーマとして@今のマンションの気に入っているところ、気に入らないところA修繕する場合と建て替える場合のメリットとデメリットB土地と建物の共有についてCマンションの将来像D具体的な事例の紹介などがふさわしいでしょう。 注意すべき点としては、最初から建替えだけにテーマを絞らないで、マンションそのものとマンションでの生活の問題点を広い視野で取り上げること、早い段階で外部の方の経験談や実績のある専門家の話を聞く機会を設けて、将来発生するかもしれない課題や問題点などについてメンバーが共通の認識をもてるようにすることなどがあげられると思います。
次に管理組合の中に検討組織を立ち上げます。 勉強会はあくまでも有志が中心となって催すプライベートな会です。
勉強会がある程度軌道に乗り、自然に区分所有者聞にマンションの将来や建替えについての関心が高まってきたことがアンケートなどによって明らかになれば、正式な組織を立ち上げ、本格的にマンションの再生を具体的に検討する準備に入ります。 一般的には建替え委員会、建替え計画委員会といった名称の組織を管理組合の中の専門部会的な組織として立ち上げる場合が多いようです。
ただし、先の「建替え学講座」のところでも述べたように、組織のありようや名称などは、それぞれの管理組合の特性や検討の経緯に応じて柔軟に考えればいいことです。 この段階では、建替えと修繕とを公平に比較検討し、組合員全員で知識の共有化に努め、建替えだけを前提とした組織でないことを明確にすることを心がけてください。
大事なことは、共通の財産であるマンションの将来をどうするか、この原点にかえって検討を進めることです。 マンションの将来に対する熱い思いは大切ですが、先走ることなく、さまざまな考えの区分所有者がいることを頭に入れて、慎重に対応することが求められます。
では、検討組織のメンバーはどのような人を選任すればいいでしょうか。 どうしても日頃から熱心に活動されている方が中心になると思いますが、だれでも自由に参加できる環境を心がけて、他の区分所有者から遊離しないように注意してください。
とにかく事業への信頼を得ることが、合意形成の第一歩だからです。 人選に当たっては、各棟やフロアからバランスよく人を集めることが大切です。
建替えに消極的な人にこそ声をかけて参加を求めましょう。 今まで組合活動に参加していなかった方々を含め、できるだけ広い範囲で人選すべきであると思います。
しかし、計画案づくりや事業の可能性をより具体的に検討するとなると、区分所有者だけで行うことは現実には困難になってきます。 コンサルタントや設計者など専門家の協力が必要となってきます。

そうなると、そのための費用を予算に計上する必要性にも迫られるでしょう。 当然、組合員の理解を求めなければなりません。
実際にはこの段階が組織としては一番苦しいのではないでしょうか。 お金をかけずに、勉強会を行っているうちは理解のあった一般の区分所有者も、修繕積立金を使ってコンサルタントに業務を委託するとなると、とたんに消極的になるのは、ある意味仕方がないことでしょう。
しかし、建替えについての検討や組織づくりを進めていくためには、どうしても外部の眼と専門的な技術が必要です。 建て替える場合の計画づくりに専門家の関与が欠かせないのは当然ですが、合意形成を進めていく上でも、組織づくりのツボを知っている専門家が関わっていることは大切なことだと思います。
組織づくりや合意形成に外部者であるコンサルタントが関わることの是非については議論があると思います。 そういう時、私はこう答えます。
「コンサルタントを信頼し、必要としてくれる組織にとっては有用だが、必要としない組織にとっては無益だ」と。 「コンサルタントは必要か」という問題以前に、その組織の中に他の区分所有者から信頼されるリーダーとこれをサポートする仲間が存在することが重要だと、私は思います。
どんな優秀なコンサルタントでも、区分所有者の信頼もなく、応援もない中ではなんの力も発揮できないでしょう。 反対に、経験や実績のないコンサルタントの卵でも、信頼され応援されれば、大きな仕事ができるものです。

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